mの誘惑

巡回している某有名個人ニュースサイトの偽科学撲滅キャンペーンがウザいので、おもいっきし反発したくなってきた。
このサイトのPCセキュリィティーねたや詐欺商法ねたには感謝するところもあるのだが、やり過ぎはどうかと思うぞ。

全くタイムリーではないが
「パイオニアの2万円のDVDプレイヤーと、ゴールドムンドの140万円のユニバーサルプレイヤーの内部パーツがほぼ一致」という話が、ちょっと昔話題になった。
ゴールドムンドGOLDMUNDの真実(おまけ) / 楽譜の風景

手短にまとめると、高級オーディオメーカーのゴールドムント社製DVDプレイヤーの主要電子部品は、パイオニア製と全く同一で、それなのに差額100万円以上っていうのはどんなもんでしょ？→おかしいじゃないか→詐欺だろ！
といいたいらしい。
この格差社会で、何が一般人か常識か判らんが、まあ普通に考えたらそうなりますかね。

いや、でもね本当の詐欺ってのは「如何にも正しくみせかけて実は嘘でした」というパターンで、ゴールドムンド社は詐欺を働く気はなく大真面目なんだと思いますよ。
上のリンク先でも、ゴールドムンド社は「Pioneerの部品を使っていることを自ら示す解説を載せています」とあるわけで。詐欺では全くないよね。
「商売としては詐欺でなくても、こんなものに大金つぎ込む、オーディオマニアは頭が悪い」
っていうのが、この記事とそれに賛同する人たちの主旨かもしれないが、それも間違っていると私は断言したい。

詐欺師のテクニックのひとつ、すりかえでもって説明するのは申し訳ないがｗ
物がオーディオだから理解されないんであって、これがクルマだったら判りやすいんじゃないかと思う。
ロータス・エリーゼというクルマをご存知だろうか。このクルマ一般にはスーパーカーと思われているかもしれないが、エンジンはトヨタとかフォード（ローバー）の一般量産車の物を流用している。ロータス社はエンジンを作れるだけの規模ではないので。
つまり、エンジンは安物だが、独自のシャシーと流麗なボディーをまとう事でこのクルマは多くのカーマニアの羨望を集めているわけだ。

ゴールドムンドにしても、同じこと。物がクルマかオーディオかの違いでしかない。
「いや、クルマのボディーとオーディオのケースを一緒にされては堪らない」そういう反論もあるだろう。
だが、それはあなたがオーディオに関して無知、あるいは甘く見ているからだ。
そして、例がロータスではなく、ＡＭＧやアルピナだったらどうなのか？
彼らは、素人目には大して違いの判らないベンツやＢＭＷのチューニングカーで、ベース車の価格を大幅に超える大金をふんだくる。国産車のチューニングで、元の価格の何倍もの金をつぎ込んでいるマニアもいるはずだ。
ベースのエンジンや車体が同じだったら価値がない。そんなことはないだろう。

ゴールドムンドのＤＶＤプレイヤーだが、馬鹿にしている人たちは、その音と映像を実際に体験しているのだろうか？
そんなことはないだろう、ただ写真をみて勝手に想像しては馬鹿にしてるわけだ。デジタルなんだから同じはずと。
オーディオは、オカルトとか詐欺とか偽科学とかいいながら、その実自分で確かめもせず馬鹿にしているんだな。
そうした行動のほうが非科学的ではないか。

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